保育士求人の給料水準に関する厚生労働省の動き(2)

保育士の給料に関する厚生労働省の動き

何故保育士の給料はいつまでも上がらないのか?

前回は、保育士の給料をあげるための厚生労働省の取り組みをご紹介しました。

何故国をあげてここまで対策を考えているのに、給料が上がらないのでしょうか?

保育士の給料に関する厚生労働省の動き
保育士の給料に関する厚生労働省の動き


それは保育園の財源が大きく関係しています。

認可保育施設の場合、主な財源は公的な補助金と保護者からの保育料です。

補助金と言うのは税金からできていますので、過大に引き上げることは難しいとされています。

更に、保育料の方を引き上げようとすると保護者からの反対にあうということもあり、あげにくいのです。

また保育料は「公定価格」で決まっているので、事業者が勝手にあげるのも難しいと言われています。

保育園に届く財源が増えませんので、保育士の給料も上がりにくいんですね。

補助金を全て保育士の給料に使えればいいのですが、保育園側もそう言ったことには回せません。

なぜなら施設の維持費や、光熱費などもこの補助金から賄っているからです。

更に社会福祉法人になると営利目的での運営はできませんので、利益は上がりにくくなっています。

こういった状況があるので、保育士の給料はいつまで経っても低賃金なのですね。

保育士の給料は今後どうなる?

厚生労働省が発表した計画によると平成29年度までに約40万人の保育の受け皿を確保するために、平均で5%改善するとしています。

最近では株式会社もどんどん参入し、給料改善に取り組んでいる会社もあります。

民間企業が保育に参入してくれたことで、相乗効果をもたらし、保育士の給料改善にも期待が持てますね。

実際に、保育士さんに聞いてみたところ、賃金アップに期待する金額は7万円以上ということです。

確かに今のお給料が月7万円プラスされると、潜在保育士の数も減るでしょうし、離職率も低くなることでしょう。

保育の仕事と言うのはやりがいも負担も大きい仕事です。
残業や持ち帰りの仕事もあります。

そういった負担に見合う給料を貰えるようになれば、ここまで問題として大きくはならなかったことでしょう。

厚生労働省は、保育士に対する対策を考えてはいますが、やはり後手後手に回っている印象もあります。

賃金アップのために出来ることは

今の職場で賃金アップが見込めないかもしれない!という場合は、転職を考えてみるのもいいでしょう。

求人情報を見ていると、株式会社の保育園のお給料は比較的高水準にあります。

参考サイト:保育士の求人・転職のFINE!保育士(お役立ちコンテンツ)

あなたの求めている求人と言うものがたくさんありますよ。

我慢しながら働くのはやめて、転職して心機一転がんばる!というのも素晴らしい選択です。

認可保育所の入園予約制とは?

認可保育所の予約制

保育にまつわる制度や政策のまとめ。

現在保護者の間で話題になっているニュースが「認可保育所の入園予約制」。


これは一体、どんな制度なんでしょうか?また、これによって保育士がうける影響はあるのでしょうか。まとめてみました。

認可保育所の予約制
認可保育所の予約制

どうして入園予約制が必要?

この認可保育所の入園予約制が議論に持ち上がったのは、保護者の「育休」と深い関わりがあります。

現在、育児・介護休業法では、会社員の育休を「1年間」と定めています。育児のために、1年間休暇を取得して良い、ということです。しかし、今は待機児童問題が深刻化していて、保育園に入るにもすごい倍率です。

特に首都圏では、1歳児クラスの入園枠がなく、いざ育休から復帰するために保育園に入れようとしても、入園させることができないという状況です。そのため、不本意ながらも0歳児から保育園に入れるという家庭が増えてきています。もちろん、保育園に入れるためには共働きである必要がありますから、その分育休からの復帰がはやくなり、なかなか満期で育休をとれる人がいなくなっているのです。

保護者にとっても、子どもにとっても、本当はまだ一緒にいたい1歳未満の時点で保育園に入園させなければならないのは、とてもつらい思いを強いられていることになります。また、保育士にとっても、保育士不足である中、保育士1人あたりの子どもの人数が少ない「0歳児」の入園が増えることは、ますます保育士の人手をうばい、1つの保育園であずかれる子どもの数が少なくなる=保育料による収入減少 という事態になります。

認可保育所の予約制が始まるとどうなる?

このような現状に対して打ち出された予約制ですが、実際に開始されると何が起こるのでしょうか?

年度途中から、0歳児クラスに入園できる

今までは年度はじめに合わせて保育園活動をして、育休を切り上げる必要がありました。

でも予約制では、「~月から保育園に入ります」という予約の仕方ができるので、育休を満期まで使ってから保育園入園+復帰をすることができるのです。

育休消化明けの年度はじめから1歳児クラスに入れる

途中から入園できるのは、0歳児ではありません。1歳児クラスにも入園ができるのです。しかし、0歳児とちょっと異なる点があります。

それは、次年度の「年度初め」から1歳児クラスに入園することができる、という点です。そもそも今0歳児クラスの入園が増えている背景として、年度初めに1歳児クラスの空きがなく入園できないから、ということもご紹介しました。

予約制によってこの問題を解消することで、入園できるかどうかという不安な気持ちがなく0歳児のあいだ家庭で保育をしてもらうことができるのです。

短期で利用できる保育サービスの充実

出産のタイミングによっては、育休の満期消化から年度初めまでの間に、期間が空いてしまうことがあります。長い人であれば、1年ほども開くことがあり、これも育休を早期に切り上げる原因となっているのです。

この問題を解消するために、短期間で子どもを預かってもらえるような保育サービスを充実させようという動きもはじまっています。いつ出産しても、育休満期まで安心して自宅で子育てできる制度が整いつつあるんですね。

地域限定保育士とは?

地域限定保育士

平成27年に成立した「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律」で、地域限定保育士という資格ができました。

この「地域限定保育士」とはどんなものなんでしょうか?実際に試験を受ける前によく確認して、注意点などを抑えておきましょう。

地域限定保育士
地域限定保育士

地域限定保育士とは

正式名称は、「国家戦略特別区域限定保育士」といいます。

資格取得後、3年間は特定の自治体の中でのみ保育士として働くことができます。4年目以降は全国で働くことも可能です。ちなみに、最初の3年間は「実務経験」ではなく「登録」の期間なので、保育士として登録していれば実務していなくても4年目から全国で働き始める事が可能です。(→地域限定保育士試験について

また、通常の保育士試験で合格した科目については、地域限定保育士試験で免除してもらえます。同じように、地域限定保育士試験で合格した科目も、次回以降の保育士試験で免除が受けられるのです。

地域限定保育士の対象地域は

現在対象となっている自治体は、残念ながらあまり数が多くありません。
  • 神奈川県
  • 大阪府
  • 沖縄県
  • 千葉市の成田市
しかし、この地域の居住者でなくても試験を受けることはできるので、引っ越しを検討されている方であればぜひ見てみても良い制度かと思います。

地域限定保育士のデメリットは

有資格の保育士として働くには、この地域限定保育士の制度はとても魅力的に見えます。しかし、デメリットももちろんあります。

一番大きいのが、「地域限定保育士であることを理由に、待遇が悪くなった」というものです。保育園の運営者によっては、地域限定保育士と通常の保育士の間に大きな待遇差を設けている場合もあります。

受験前にどちらのタイプで資格を取得するか、勤務先の待遇も含めてしっかり考えましょう。

地域限定保育士試験を受ける前に注意したいこと

ここまで読まれた方は、地域限定保育士について興味がある方だろうと思います。次の試験を受けてみようかな、と考えている方も多いのではないでしょうか。

そんな時に、事前に注意していただきたいポイントがあります。それは、「科目も免除」についてです。

全国版の保育士試験で合格している科目については、地域限定保育士試験で免除される場合があります。しかし、地域限定保育士試験に一度合格すると、翌年の通常の保育士試験では、筆記試験の過去の合格科目は、免除対象外となってしまうのです。

つまり、科目Aについて、
(1)通常の保育士試験で科目Aは合格→(2)地域限定保育士試験で科目A合格&地域限定保育士資格取得→(3)通常の保育士試験を受験
としようとすると、「(3)通常の保育士試験を受験」の時点で科目Aは免除されないということですね。

特に幼稚園教諭免許取得者は、地域限定試験で実技試験が免除となるため、筆記試験科目が全て合格となった場合は地域限定保育士の資格を取得できます。意図せずに合格していて、翌年本当に受けたかった通常の保育士試験のときは全部勉強し直し・・・ということにならないように注意しましょう。

地域限定保育士の試験を受けるには

平成28年の後期日程が直近の試験日程です。申し込みは下記の全国保育士養成協議会のホームページから受験申し込みをすることができます。

平成28年保育士試験(地域限定)

 

育児と保育士、両立できる?保活に東奔西走するママたち

保育士と保活

保育士と「保活」

保育士不足に焦点があたったのは、深刻な保育園不足が起きたからでした。

今、多くの母親たちは、必死です。保育園への入園が非常に難しく、もはや情報戦の様相を呈してきたのが「保活」です。この「保活」、保育士でも無関係なものではありません。

保育士をしているというと、保育園にスムーズに入る方法はないかと聞かれたことのある保育士さんは少なくないのではないでしょうか。また、自分自身が復帰したいのに我が子の保育園が見つからず・・・という保育士さんもいらっしゃることでしょう。特に保育士は女性が多い職場ですから、こういった話題を耳にする機会が多いと思います。

今日は、そんな保育士とも無縁ではない「保活」について考えてみました。

保育士と保活
保育士と保活

「保活」の勉強会

2016年6月のある週末、東京都内で開かれたのは「働くママのための保活勉強会」です。主催された方は、家族の幸せのため、ママの職場復帰を支援する活動の一環として、今回2回目を迎える勉強会を開催しました。

今回の勉強会に参加したのは、妊婦や乳児をもつ父母、あわせて15人です。その最大の関心事といえば、「入園のためのノウハウ」です。いつから「保活」をはじめたらいいか、預け先がない窮状をどのように訴えればいいのか、参加者から悲痛な質問が矢継ぎ早に飛びます。

「点数稼ぎだけをやみくもにしてはいけません。希望する保育園には、どの程度の忙しさの保護者の子どもが入園できているのか、その上で自分はどの程度の忙しさなのかを、まずは把握しましょう。『○○保育園には、昨年度何点以上であれば入れたのですか?』と保育課に確認するのもひとつの方法です。」

ナンセンスな保活

また、待機児童を小規模保育施設などで解消を目指しているNPO法人フローレンスの代表理事を務める駒崎弘樹さんは、このように指摘します。

「保活ほどナンセンスなことはありません。保活というバカげたことを私たちに強いている国や自事態こそ、責められるべきではないでしょうか。小学校と同じように、どの家庭でも安心して子どもを預けられるように、保育園を全入とするのは、もはや自治体として当然の責任です。市債を発行してでも、この問題には早急に取り組まなければいけません」

収入の1円が合否を分ける

この勉強会に参加した目黒区の会社員女性(39)は、昨年の12月に次女を出産しました。今年の4月から職場復帰する予定を立てていましたが、次女を認可保育園に預けることができず、育休を6月まで延長しなければなりませんでした。今でも保活中に、保育課の窓口から言われた言葉が腑に落ちないといいます。

「1円でも収入が低ければ、認可保育園は入りやすいですから…」

児童福祉法に基づいて設置される認可保育園に子どもを預けられるうえで、最終的に優先されるのは所得税額の低い世帯です。激戦区では、同じ条件に数百人も並ぶケースが見られます。所得や生活レベルをみて、大差がないように感じても、入園の可否が無情に分かれることが少なくありません。

「たとえ年収が300万円でも600万円でも、預けられないことによる窮状に差はないはずです。選考基準を、もっと現状に即した形に見直さなければ、公正さにかけるのではないでしょうか」

保育士の給料に関する厚生労働省の動き(1)

保育士の給料に関する厚生労働省の動き

保育士の待遇は一体いつ改善される?

待機児童問題を解決するために一番重要なこと、それは保育士の労働環境の改善です。

なぜこれが一番かというと、悪循環が関係しているからです。

それは、
保育士の離職率が進む⇒保育園の受け入れ人数が減る⇒待機児童が増える⇒保育園は保育士不足になる⇒保育士が激務になる

といったことです。

保育士の給料に関する厚生労働省の動き
保育士の給料に関する厚生労働省の動き


この負のスパイラルから逃げ出せないため、待機児童問題はなかなか解決しないんですね。

じゃあ、いますぐにでも保育士の労働環境を改善すればいいじゃないか!と思うかもしれません。

厚生労働省もこの事は十分に分かっていて少しずつ待遇改善を行ってはいるのです。

厚生労働省の取り組み

10年前と比較すれば、保育園の施設数は増加しています。

厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ」平成27年4月1日を公表します

しかし施設だけ増えても、そこで働く保育士が増えなければ意味がありません。

厚生労働省は何とか保育士の数を増やそうと、2015年3月に「保育士就職促進対策集中取組月刊」として、潜在保育士への働きかけを行っています。

具体的な支援としては
  • 復職お祝い金(自治体によって異なる)
  • 研修制度への参加
  • 給料の引き上げ
です。

潜在保育士はなぜ多い?

何故潜在保育士がこんなにも多くなったのでしょうか。

保育士の離職の一番の理由は「給料が低い」です。
生活が成り立たないため、離職したという人が多いのです。

決して保育と言う仕事に魅力がないわけではありません。
続けたいけれど、続けれないということなんです。

この事を受けて、厚生労働省は保育士の賃金を最大で月1万円引き上げると発表しました。
これは保育士の人数に応じて補助金を追加するというもので、雇用先を通じて給料に上乗せされます。

ようやく「対策しよう」という風潮が出てきた

素晴らしい政策のように思えますが、これはあまり現実的ではありません。

他の業種と比べれば月給が10万円以上開いている保育士の給料に1万円プラスされても焼け石に水です。

ニュースに対する反応も様々でした。↓

保育士給与引き上げ…「励みに」「もっと評価して」 : 大手小町 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

潜在保育士が復職するということにはならないでしょう。

しかし、厚生労働省が保育士の給料に対して問題視していて、対策を取ろう!としているというところは理解できますね。