保母資格から保育士資格に変更で何が変わったの?(その2)

保母資格は保育士資格と何ら変わりません

前回は、「保母」と「保育士」であまり変化のなかったポイントについてご紹介してきました。

復職を考えている方、保母資格から保育士資格と名称が変更になったといっても、自分の持っている「保母資格」が無効になるわけではないので安心してくださいね。

保育園などの福祉施設の就職条件にある「保育士資格」とまったく同じ効力を持っています。

保母資格から保育士資格へ切り替えなければならないなどの手続きが必要なわけでもないですよ。

 

保母資格から保育士資格
保母資格から保育士資格

変更になったのは保育士証交付

変更以前は、保母資格を持っていれば保育園や児童福祉施設に就職することができました。

しかし、変更以降は、資格を持っているだけでは就職することができず、就職する前に必ずやっておかなければならないことがあるのです。

それは、保育士証交付です。

「保母資格」「保育士資格」ともに各都道府県に保育士登録をして、保育士証交付を受けなければ保育職に就けなくなったのです。

保育士証交付を受けずに保育職に就けば違反となり、罰金を支払わなければなりません。

ただし、資格そのものが失効されるわけではないですから、就職する予定がなければ交付を受ける必要はないですよ。

保育士登録の方法は?

保育士登録を行うには「保育士登録の手引き」が必要になりますので、保育士登録事務処理センターに「保育士登録の手引き」を請求します。

保育士登録事務処理センターの住所を記しておきますね。
(2016年8月現在の情報です。正しい情報は公式サイトでもご確認ください。)

〒102‐0083 東京都千代田区麹町1‐6‐2 アーバンネット麹町ビル6階
℡03-3262-1080

保育士登録の手数料は4,200円です。保育士登録の手引きに同封されている振込用紙で郵便局より振り込みます。振替払い込み証明書は、登録に必要になるので、必ず取っておいてくださいね。

必要な書類は
  • 「保育士登録の手引き」に同封されている保育士登録申請書
  • 郵便局で振り込んだ時の振替払い込み証明書
  • 保育士(保母)資格を証明する原本
 

必要な書類に記入して、登録事務処理センターに送付します。

申請先の都道府県の審査、決定を経て、保育士登録簿へ登録されます。

登録後に「保育士証」が交付され郵送されてきます。

手続きから、交付までは約2ヵ月程度を要するようです。

まとめ

保母資格から保育士資格になって大きく変わったのは、「保育士証交付」を受けなければ、保育職に就くことができないということですね。

私の知人で、保育園の短時間のパートを頼まれ職に就こうとしていたところ、保育士登録を知らずに後で気づき、採用が取り消しになったという例があります。

登録の手続きをして「保育士証」を受けるまでには2ヵ月から3カ月をみていく必要がありますから、復職を考えている方は、まず保育士登録を行っておきましょう。

保母資格から保育士資格に変更で何が変わったの?(その1)

子育てがひと区切りついて、十数年ぶりに保育士に復帰したいと思っている方、過去に保母資格を取ったものの保育職には就かず保育士需要の高くなっている今、保育職に就きたいと思っている方もいるかと思います。

改めて自分の資格証を確認すると「保母資格証明書」「保母免許」となっていて、保母の名称のままで大丈夫なのかと不安になっている方もいるでしょう。

保育職に就くにあたって、必ずやっておかなければならないことがあります。

保母資格から保育士資格へと変更になって、どこが変わったのかをみていきましょう。

保母資格から保育士資格
保母資格から保育士資格

保母資格から保育士資格へ

保育職から長期間離れていたり、自分の子どもが成長して保育園と縁遠くなると、現状の保育制度を知る機会がなくなりますよね。

看護婦から看護師と名称が変更になったのは普通に認知されていますが、保母から保育士と名称が変わったことを知らず「保母さん」と言っている方はまだいますね。

優しい女性のイメージを感じさせる保母という名称が変わったのはちょっと残念な感じはしますが、資格も保母資格から保育士資格と変更になっています。

1999年4月1日、男女雇用機会均等法の改正に伴い、児童福祉法施行令が改正され、男女の区別のない保育士という名称に変更になったのです。

それまでは、男性の保育士は保父と呼ばれていましたね。しかし資格の正式名称は男性であっても保母でしたから、ちょっと肩身の狭い思いをしていたかも知れませんね。

変更後は、男女の区別のない保育士となり、男性の保育士も少しずつ増えて来ています。

 

保育士資格を取得するには

保育士資格を取得するには、保母時代と同様です。

厚生労働大臣指定の大学、短期大学、専門学校などの指定保育士養成施設に進学し、所定の単位を取って卒業すると取得できます。

もうひとつの方法は、年に一度行われる国家試験「保育士試験」に合格して取得することです。

保育士試験は、費用がそれほどかからないことから、他の仕事に就いているOLや主婦の間で受験する人が増えてきていますね。

 

保育士資格でできる仕事

保育士資格を持っているとできる仕事も保母時代と同様です。

保育園の仕事はもちろん保育園以外の仕事もさまざまにあり、児童福祉施設、助産施設、乳児院、肢体不自由児施設、養護施設などで、保育士として働くことができます。

保育の専門的知識とスキル、愛情で、子どもに基本的生活習慣を身につけさせ、成長発達を促し自立を身につけるよう指導していくことが保育士の仕事、日々成長していく子どもの姿を、間近で見られることが保育士としての大きな魅力ですね。

また、子育てに不安を抱える父母を支える「子育てパートナー」や「保育ママ」の仕事など、保育士の需要の幅は広がってきていますね。

 

変わったことはなに?

ここまで読むと、保母さん時代も保育士の現在も、あまり変化がないように見えますね。名称は変化したけれど、大きく変化していない部分もあるということが理解していただけたと思います。

次回は、違っているところを中心にご紹介します。

保育園の運営者の「社会福祉法人」「株式会社」その違いは?

保育園の運営者には、様々な組織があります。

昔は社会福祉法人が運営している保育園が多かったのですが、最近は株式会社運営の保育園がふえてきました。

この、社会福祉法人と株式会社の違いとは何なんでしょうか?調べてみました。

「社会福祉法人」「株式会社」の違い
「社会福祉法人」「株式会社」の違い

社会福祉法人とは

そもそも法人とは権利・義務の主体を法律によって人と認められた団体となります。それぞれは公益か営利、人や財産によって分類されています。

それをさらに細かくすると学校法人や財団法人(財産そのものに法人格を認めたもの)などになり、目的や集団に応じて名称が決まっています。

設立には理事6名以上・監事2名以上、理事の二倍以上の評議員が必要となり、各所轄庁と呼ばれる都道府県や政令指定都市への決算公開などが必要となります。

社会福祉法人はその中でも福祉を中心とした事業目的を掲げています。

保育園以外にも福祉施設などを経営することが多いです。資金は収益以外に寄付金や補助金となり、営利目的ではない福祉事業を展開する代わりに税金などが優遇されているのです。

社会福祉法人の保育園で働くメリットは

社会福祉法人で働くメリットは保育園経営に対するノウハウなどがしっかり積まれているので、経営基盤そのものが安定しているところが多いです。

また保育方針も安定しているので、保育士としても方針によって保育園を選ぶことが出来ます。

社会福祉法人の保育園で働くデメリットは

デメリットは営利目的での経営ではないので、設備や備品に対してなかなか金額をかけられないため徹底した節制や管理を求められることがあります。

また家族経営の場合は園長や家族が権力を握っていることが多いので人間関係で大きなトラブルを起こすと退職を余儀なくされる場合があります。

株式会社とは

事業目的は会社に応じて自由に設定が出来て、人員は一人から設立が可能です。資金は株式・債券発行をしているのできちんとした経営をすることが求められます。税金などの優遇措置はありません。

またきちんとした経営をしなければ株主の信頼を失いますから、経営者によるワンマン経営などが出来にくいのが特徴とも言えます。

株式会社の保育園で働くメリットは

株式会社で働くメリットは大規模な会社であれば福利厚生の体制が整っている・処遇改善の傾向が大きく望めることです。

保育士の処遇については、待機児童問題が浮き彫りになると同時に薄給や昇給などが問題となっていますが、利益を追求しなければならない株式会社の場合はサービスの質を向上するために待遇を良くするという期待が持てます。

また福祉サービスという理念が強かった保育も競争のために独自のサービス展開が期待できることから保育士からの発案も大きく求められるのではないでしょうか。

株式会社の保育園で働くデメリットは

デメリットは経営参入が始まったばかりなので、株式会社が運営する保育所は都市部に集中しており全体で見ればまだまだ少ないということです。

しかしながら参入をしている株式会社の中には保育施設の開園と人材確保を積極的に行っているところもあり、就職セミナーや研修を取り入れているところもあります。

こうした場所へ足を運んでみるのも情報を得やすいのでオススメです。

保育士の給料に関する厚生労働省の動き(2)

何故保育士の給料はいつまでも上がらないのか?

前回は、保育士の給料をあげるための厚生労働省の取り組みをご紹介しました。

何故国をあげてここまで対策を考えているのに、給料が上がらないのでしょうか?

保育士の給料に関する厚生労働省の動き
保育士の給料に関する厚生労働省の動き


それは保育園の財源が大きく関係しています。

認可保育施設の場合、主な財源は公的な補助金と保護者からの保育料です。

補助金と言うのは税金からできていますので、過大に引き上げることは難しいとされています。

更に、保育料の方を引き上げようとすると保護者からの反対にあうということもあり、あげにくいのです。

また保育料は「公定価格」で決まっているので、事業者が勝手にあげるのも難しいと言われています。

保育園に届く財源が増えませんので、保育士の給料も上がりにくいんですね。

補助金を全て保育士の給料に使えればいいのですが、保育園側もそう言ったことには回せません。

なぜなら施設の維持費や、光熱費などもこの補助金から賄っているからです。

更に社会福祉法人になると営利目的での運営はできませんので、利益は上がりにくくなっています。

こういった状況があるので、保育士の給料はいつまで経っても低賃金なのですね。

保育士の給料は今後どうなる?

厚生労働省が発表した計画によると平成29年度までに約40万人の保育の受け皿を確保するために、平均で5%改善するとしています。

最近では株式会社もどんどん参入し、給料改善に取り組んでいる会社もあります。

民間企業が保育に参入してくれたことで、相乗効果をもたらし、保育士の給料改善にも期待が持てますね。

実際に、保育士さんに聞いてみたところ、賃金アップに期待する金額は7万円以上ということです。

確かに今のお給料が月7万円プラスされると、潜在保育士の数も減るでしょうし、離職率も低くなることでしょう。

保育の仕事と言うのはやりがいも負担も大きい仕事です。
残業や持ち帰りの仕事もあります。

そういった負担に見合う給料を貰えるようになれば、ここまで問題として大きくはならなかったことでしょう。

厚生労働省は、保育士に対する対策を考えてはいますが、やはり後手後手に回っている印象もあります。

賃金アップのために出来ることは

今の職場で賃金アップが見込めないかもしれない!という場合は、転職を考えてみるのもいいでしょう。

求人情報を見ていると、株式会社の保育園のお給料は比較的高水準にあります。

あなたの求めている求人と言うものがたくさんありますよ。

我慢しながら働くのはやめて、転職して心機一転がんばる!というのも素晴らしい選択です。

保育士の給料に関する厚生労働省の動き(1)

保育士の待遇は一体いつ改善される?

待機児童問題を解決するために一番重要なこと、それは保育士の労働環境の改善です。

なぜこれが一番かというと、悪循環が関係しているからです。

それは、
保育士の離職率が進む⇒保育園の受け入れ人数が減る⇒待機児童が増える⇒保育園は保育士不足になる⇒保育士が激務になる

といったことです。

保育士の給料に関する厚生労働省の動き
保育士の給料に関する厚生労働省の動き


この負のスパイラルから逃げ出せないため、待機児童問題はなかなか解決しないんですね。

じゃあ、いますぐにでも保育士の労働環境を改善すればいいじゃないか!と思うかもしれません。

厚生労働省もこの事は十分に分かっていて少しずつ待遇改善を行ってはいるのです。

厚生労働省の取り組み

10年前と比較すれば、保育園の施設数は増加しています。

厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ」平成27年4月1日を公表します

しかし施設だけ増えても、そこで働く保育士が増えなければ意味がありません。

厚生労働省は何とか保育士の数を増やそうと、2015年3月に「保育士就職促進対策集中取組月刊」として、潜在保育士への働きかけを行っています。

具体的な支援としては
  • 復職お祝い金(自治体によって異なる)
  • 研修制度への参加
  • 給料の引き上げ
です。

潜在保育士はなぜ多い?

何故潜在保育士がこんなにも多くなったのでしょうか。

保育士の離職の一番の理由は「給料が低い」です。
生活が成り立たないため、離職したという人が多いのです。

決して保育と言う仕事に魅力がないわけではありません。
続けたいけれど、続けれないということなんです。

この事を受けて、厚生労働省は保育士の賃金を最大で月1万円引き上げると発表しました。
これは保育士の人数に応じて補助金を追加するというもので、雇用先を通じて給料に上乗せされます。

ようやく「対策しよう」という風潮が出てきた

素晴らしい政策のように思えますが、これはあまり現実的ではありません。

他の業種と比べれば月給が10万円以上開いている保育士の給料に1万円プラスされても焼け石に水です。

ニュースに対する反応も様々でした。↓

保育士給与引き上げ…「励みに」「もっと評価して」 : 大手小町 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

潜在保育士が復職するということにはならないでしょう。

しかし、厚生労働省が保育士の給料に対して問題視していて、対策を取ろう!としているというところは理解できますね。